第14回(2017年度)中国建築文化賞について

一般社団法人日本建築学会中国支部では、中国地方の建築文化の発展に顕著な貢献が認められる活動に対して表彰し、広く地域文化の発展と建築文化に対する意識の高揚を図ることを目的とした「日本建築学会中国支部建築文化賞表彰制度」を平成16年度に創設した。第14回目となる昨年度は次の3テーマの取組みを表彰することに決定した。当該賞の創設主旨を十分満たす優れた作品、活動であり、これらを以下に紹介する。

「広島県内の魅力ある建築を発掘・発信する『ひろしまたてものがたり』(人物・団体部門)

受賞者:広島県土木建築局営繕課

広島県内における既存の建築について調査し、県民に様々な媒体やメディアを通してその魅力を伝える活動です。
またイベントや見学会なども実施されています。中国地区の他県にもこの活動は周知されており、各県の当該部局における建築文化活動の手本となりつつあります。
このことから中国地域での建築文化の拡大に多大な貢献があった活動であり、中国建築文化賞としてふさわしい活動です。

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「中国地方における鋼構造に関する技術の普及、研究・情報公開活動 (人物・団体部門)

受賞者:日本建築学会中国支部鋼構造研究小委員会とその下部組織

中国地方の産学官協会が連携してシンポジウム、講演・見学会、公開実験を実施し、参加者は学会会員に限らず、設計者、建設会社、専門業者など多岐に渡っています。
この活動は数年にわたり実施され、毎年多くの参加者があり、中国地区の鋼構造技術の向上に多大な貢献があったことから中国建築文化賞としてふさわしい活動です。

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「木立ちの家』(住宅部門 所在地:広島県福山市水呑町)

受賞者:後藤亜貴(後藤亜貴建築設計事務所)

福山市内の造成地に立つ住宅であり、敷地内の余白、庭の設け方、段差の利用、建物と境界線からの距離などを十分に考慮し、プライバシーを保ちつつ、周辺環境との密接な関係性を保つことができる住宅です。
またクライアントの希望である中庭についても居室との配置を工夫し、生活空間の一部として利活用できるものとなっています。
周辺住民やこれから住宅を建てようとする見学者も多数訪問されていることも含め、中国建築文化賞として十分な住宅作品といえます。

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29年度審査員(敬称略)

大田和彦・龜谷清・川上善嗣・清水保雄・角倉英明・原田正彦

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