2021年度の中国建築文化賞には,住宅部門1件,意匠部門6件,人物団体部門1件の計8件の応募があり,選考委員会で厳正に審査を行った結果,次の1作品を表彰することに決定しました.表彰作品が表彰規則第1条(目的)における「中国地方の建築文化の発展に顕著な貢献が認められる活動」であり,「広く地域文化の発展と建築文化に対する意識の高揚を図る」作品であることに期待しています.なお,令和三年度の中国建築文化賞の表彰式,受賞者の講演会を以下のように予定しています.
日時:2022年5月20日(金) 午後
場所:広島県情報プラザ(広島市中区) 地下多目的ホール
(同日開催の中国支部総会において.詳細は支部HPでご確認ください)
・意匠部門「安芸太田町立戸河内小学校」(広島県安芸太田町)
受賞者:升本 哲((株)あい設計)
戸河内小学校の木造校舎は町内産の木材を活用して建築され,今後の修繕にも町内産の木材を活用することが見込まれている.児童が交流ホール,廊下,教室で天井を見上げれば,校舎を支える架構を見ることができる工夫が成されている.交流ホールに立てられた町内産の丸太柱が木造校舎のシンボルとして感じられる空間は,図書室,及び,放課後の学童保育に使用されて児童の学習と生活の場となっている.室内の仕上げが木板であることで,児童たちが図工の時間や夏休みに作った絵や作品などを校舎内のどこにでも取り付けて自由に展示でき,現地審査の折にその様子を見ることができた.子供たちの学習と生活の場である戸河内小学校が町内産業との繋がりを示すとともに,玄関先の大屋根が架かった舞台のような空間が町内の行事に開放されることで地域文化の発展に貢献することが期待される.
写真1:戸河内小学校・交流ホール(写真提供:升本哲 (株)あい設計)
写真2:現地審査時の交流ホール(撮影:中西伸介)
写真3:戸河内小学校・外観(写真提供:升本哲 (株)あい設計)
写真4:現地審査時の玄関の大屋根(撮影:中西伸介)
写真5:戸河内小学校・図工室(写真提供:升本哲 (株)あい設計)
写真6:戸河内小学校・音楽室(写真提供:升本哲 (株)あい設計)
写真7:現地審査時の普通教室(撮影:中西伸介)